時事旬報社

時事問題を合理的な角度から追って行きます

国際部半島情勢デスク

「拉致問題」と「戦後賠償(補償)問題」(1)

半年程前であれば、誰も予測できなかった北朝鮮問題の急変には唖然となるばかりである。評価が分かれる今次の米朝首脳初会談であるが、総じてアメリカよりも北朝鮮の方が得るものが多かったとする論評が多い。米朝で密約でもなければ外見上はソノように見え…

電撃訪中:中朝首脳会談

日本は蚊帳の外か 3月26日、極秘裏に金正恩委員長が訪中、習近平国家主席と首脳会談を実施した。張成沢の処刑以来、中朝関係は冷え切っていたとされてきただけに正に意表をつく訪中である。28日午前、朝鮮中央放送は「習近平主席の招きにより26日から28日ま…

鼻血作戦:平昌オリンピックを巡る米朝中韓の駆け引き

北朝鮮にたいする米軍軍事行動はあるか 平昌オリンピック開催が間近となった。新年早々、北朝鮮は異例にも韓国の冬期オリンピック開催に声援を送り、これに呼応した韓国提案の南北共同開催を承諾、IOCも同調・歓迎し、半島情勢に束の間の雪解けが訪れたよう…

マティス国防長官の真意(2):「ソウルを危険にさらさない軍事的選択肢」はあるか。

独裁国家は民主国家に比べ、国内政治の統率や国際的な影響力拡大に有利な面がある。独裁的な集権制度が確立できなかった結果、政治体制を維持できず、国が滅ぶという事例もあった。しかし近代以降、政体を変えること無く長期間に渡り統治を継続出来たのは民…

マティス国防長官の真意(1):「ソウルを危険にさらさない軍事的選択肢」はあるか。

2017年9月18日の記者会見で米マティス国防長官は、「北朝鮮に対して多くの軍事的選択肢がある」とし、「(その中には)ソウルを重大な危険にさらさない軍事的選択もある」と話した。しかし本当にそんな選択肢があるのであろうか。 勿論、「ある」しかし「で…

金正恩 命を賭けた大勝負(6):第2次朝鮮戦争の勝算

第2次朝鮮戦争のシナリオ(3) 第2次朝鮮戦争のシナリオ(3) 「ロケットマン」と揶揄すれば、「老いぼれ錯乱した犬」と罵る。トランプ大統領の国連総会演説後、米朝の舌戦は益々過激になるばかりである。このまま「(北朝鮮)完全破壊」あるいは「(ア…

金正恩 命を賭けた大勝負(5):第2次朝鮮戦争の勝算

第2次朝鮮戦争のシナリオ(2) 作戦の第一段階(開戦後1週間程度) 軍事作戦の第一段階は、国境からソウル市北岸部(漢江北岸)一帯を完全占領し、漢江南岸の江華島(仁川空港)、仁川港、汝矣島、江北地区(金浦空港)江南地区の重要地区に進出、領域占…

金正恩 命を賭けた大勝負(4):第2次朝鮮戦争の勝算

第2次朝鮮戦争のシナリオ(1) 奇襲攻撃への布石 北朝鮮によるソウル奪取は、奇襲攻撃でなければならない。不意を打たねば勝ち目がない。西側観測筋は、北朝鮮の国家戦略は核とミサイルに持てる資源を集中し、通常兵力と一般兵器の近代化を後回しにしてい…

金正恩 命を賭けた大勝負(3):第2次朝鮮戦争の勝算

水爆実験 8月29日弾道ミサイル発射。9月3日水爆実験強行。北朝鮮の核威嚇は留まるところを知らない。一連の挑発行動は、北朝鮮なりの緻密な戦略に基づいて行なわれているのであろうか。それとも金正恩は、「なめられてたまるか」という単純で幼稚な感情論で…

金正恩 命を賭けた大勝負(2):第2次朝鮮戦争の勝算

もし金正恩が生死を賭けて、緻密に計算された軍事行動を決行するとなると、いかなる作戦が考えられるのであろうか。勿論、実行するからには勝算がある作戦を立案しなければならない。「北朝鮮の崩壊を招く、自殺行為はやらない」という常識から離れ、感情論…

金正恩 命を賭けた大勝負(1):第2次朝鮮戦争の勝算

戦争のリアリティ 米韓合同軍事演習(フリーダムガーディアン)が21日から始まった。米国の出方を「もう少し見る」としていた北朝鮮であるが、今のところ「無慈悲な報復と容赦ない懲罰を免れない」と舌戦に及ぶのみで、本格的な軍事衝突の徴候はない。 局地…

急迫する北朝鮮情勢と米韓軍事演習:THAADミサイルの実力

米韓軍事演習 風雲急を告げる北朝鮮情勢であるが、金正恩朝鮮労働党委員長が国営メディアを通じ「(グアム沖への弾道ミサイル発射は)愚かで哀れなアメリカの行動をもう少し見守る」と表明したことにより当座の危機は回避されたものと考えられている。 アメ…

「韓国は中国の一部」:習近平主席の奇怪な一言

不可解な一言 今年(2017年)4月、トランプ大統領就任後発の米中首脳会談で、習近平主席が話したという不可解な話題が未だに消化できずによどみ続けている。この時、習は「韓国は歴史的に中国の一部だった」と言い放ったのだ。 後日、トランプがウォールスト…